「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、 ようやく春の気配が漂い始める時期になりましたね。
そんな春の訪れとともに、お彼岸が近づいています。
お彼岸と聞くと、どこか背筋を伸ばして、 「ちゃんとしなきゃ」と身構えてしまう方も多いかもしれません。
けれど、何よりも大切なのは、形よりも心。
日々の忙しさのなか、ほんのひとときだけ、大切な存在に、心を寄せる時間を過ごす。
それだけで、もう十分な「お彼岸」だと思うのです。
正解の形は、ひとつではありません。
今日は、 今の暮らしのなかで無理なくできる、 「わが家らしい」お彼岸の過ごし方を提案したいと思います。
一輪の花を、春の色に。

立派な仏花でなくても、大丈夫。
お散歩の途中に見つけた花や、あの人が好きだった色の花を。
お気に入りの一輪挿しにそっと飾るだけで、 部屋のなかに、優しい春が届きます。
「これ、おいしいよ」をお裾分け。

形式にこだわったお供え物ではなくても、 今日、自分が「おいしいな」と思ったお菓子をひとつ。
小さな台にのせて、まずは一度、あの人へ。
「お裾分け」するような気持ちで、そのあと自分もいただく。
そんな、あたたかな対話も素敵です。
風とともに、香りを届ける。

窓を開けて、春の柔らかな風を通しながら。
お線香を一本、静かに灯してみる。
「ゆらゆらと昇る煙が、空の向こうまで想いを運んでくれるようで、 眺めているだけで、こちらの心もゆっくりと凪いでいきます。
お仏壇がなくても、大きな場所がなくても。
棚の上やテーブルの片隅に、小さな居場所を作るだけで、 そこは大切な人とつながる場所になります。
形式にとらわれすぎず、あなたの心がふっと軽くなるような過ごし方を。
今年の春のお彼岸が、あたたかな時間になりますように。

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木を選ぶ。